猫はなぜゴロゴロ鳴くの?うれしい時だけではない3つの理由

猫が目を閉じてくつろぎながらゴロゴロとのどを鳴らしている様子 生き物

猫をなでていると、のどの奥から「ゴロゴロ……」という小さな音が聞こえてくることがあります。

気持ちよさそうに目を細めている姿を見ると、「うれしいのかな」「安心しているのかな」と思う人も多いでしょう。

たしかに、猫のゴロゴロ音は、リラックスしている時や満足している時によく聞かれます。しかし、猫がゴロゴロ鳴く理由はそれだけではありません。

お腹がすいた時、不安を感じている時、体調がすぐれない時にも、ゴロゴロと鳴くことがあります。

つまり、猫のゴロゴロ音は「幸せのサイン」だけでなく、猫が自分の気持ちや状態を伝えるための、とても奥深いサインなのです。

猫のゴロゴロ音とは?

猫のゴロゴロ音は、一般的に「のど鳴らし」とも呼ばれます。

人間の声のようにはっきりした鳴き声ではなく、低く細かな振動のように聞こえるのが特徴です。

この音は、猫が息を吸う時と吐く時の両方で続くため、長く一定したリズムに聞こえます。

はっきりした仕組みにはまだわかっていない部分もありますが、のどの周辺の筋肉や声帯の動きが関係していると考えられています。

猫のゴロゴロ音は、人間にとってはとても心地よい音に感じられます。

しかし、猫にとっては単なる「かわいい音」ではなく、気持ちを落ち着かせたり、相手とつながったりするための大切な行動だと考えられています。

理由1:安心してリラックスしているから

猫がゴロゴロ鳴く理由として、もっともイメージしやすいのが「安心しているから」です。

飼い主のひざの上でくつろいでいる時、やさしくなでられている時、暖かい場所で眠そうにしている時など、猫は気分が落ち着いている場面でゴロゴロ鳴くことがあります。

これは、人間でいえば、安心してため息をついたり、気持ちよくて表情がゆるんだりする状態に少し似ています。

猫は言葉で「気持ちいいよ」「安心しているよ」と言えないため、ゴロゴロという音や体の力の抜け方で、その状態を表しているのです。

また、子猫は母猫の近くでゴロゴロ鳴くことがあります。

これは、母猫とのつながりを保つためのコミュニケーションとも考えられています。

大人になった猫が人間のそばでゴロゴロ鳴くのも、信頼している相手に向けたサインのひとつといえるでしょう。

飼い主になでられながら安心した表情でゴロゴロとのどを鳴らす猫

 

理由2:何かを伝えたいから

猫のゴロゴロ音は、ただ気分がよい時だけに出るものではありません。

猫が人間に何かを求めている時にも、ゴロゴロ鳴くことがあります。

たとえば、朝ごはんがほしい時、ドアを開けてほしい時、かまってほしい時などです。

猫は「ニャー」と鳴いて要求を伝えることもありますが、ゴロゴロ音を混ぜながら近づいてくることもあります。

面白いことに、食べ物を求める時のゴロゴロ音には、人間が気づきやすい高めの音が混ざることがあるとされています。

ふだんの穏やかなゴロゴロ音とは少し違い、「今すぐ気づいて」と言っているような、少し切実な響きになることがあるのです。

このようなゴロゴロ音は、猫が人間との暮らしの中で身につけた、上手なお願いの方法ともいえます。

猫は大声で鳴くだけでなく、やわらかい音の中に要求を込めて、人間に伝えているのかもしれません。

理由3:不安や痛みをやわらげたいから

猫がゴロゴロ鳴いているからといって、必ずしも元気で幸せとは限りません。

ここは、少し注意したいポイントです。

猫は、動物病院で緊張している時、知らない場所にいて不安な時、体調が悪い時、痛みがある時にもゴロゴロ鳴くことがあります。

この場合のゴロゴロ音は、相手に甘えているというより、自分自身を落ち着かせるための行動に近いと考えられます。

人間でも、不安な時に深呼吸をしたり、落ち着くために同じ動作をくり返したりすることがあります。

猫のゴロゴロ音にも、それに似た「自分をなだめる働き」があるのかもしれません。

そのため、猫がずっとゴロゴロ鳴いていても、食欲がない、元気がない、隠れて出てこない、歩き方がおかしい、呼吸が苦しそうといった様子がある場合は、単に「ご機嫌なんだ」と決めつけない方がよいでしょう。

食事を前にして飼い主を見上げながらゴロゴロとのどを鳴らす猫

ゴロゴロ音だけで猫の気持ちは決められない

猫のゴロゴロ音には、安心、要求、不安、痛みなど、いくつもの意味が重なっていることがあります。

同じ「ゴロゴロ」でも、場面によって意味が変わるのです。

たとえば、ソファで丸くなって目を細めながら鳴いているなら、リラックスしている可能性が高いでしょう。

一方で、部屋の隅に隠れたまま鳴いている、体をこわばらせている、食事をしないといった様子があるなら、不安や体調不良のサインかもしれません。

大切なのは、音だけを聞くのではなく、猫の表情、姿勢、しっぽの動き、食欲、普段との違いをあわせて見ることです。

猫は言葉を話せませんが、体全体でたくさんの情報を伝えています。

まとめ:猫のゴロゴロは小さな音に込められたサイン

猫がゴロゴロ鳴く理由は、ひとつではありません。

安心している時、何かを伝えたい時、不安や痛みを落ち着かせたい時など、さまざまな理由があります。

そのため、猫のゴロゴロ音は「うれしい時の音」とだけ考えるよりも、「猫が今の状態を表しているサイン」と見る方が自然です。

いつものようにくつろいで鳴いているなら、猫は安心しているのかもしれません。

しかし、普段と様子が違う時は、ゴロゴロ音の裏に不安や不調が隠れていることもあります。

猫の小さなゴロゴロ音に耳をすませることは、猫の気持ちに近づく第一歩です。

音だけで決めつけず、しぐさや体調もあわせて見てあげると、猫との暮らしがもっとわかりやすくなるでしょう。

ペットキャリーのそばで飼い主に寄り添われながらゴロゴロとのどを鳴らす猫

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